現代に息づく建築仕様
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▲コリシャン・オーダー(列柱)が目を引く当行本店
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昭和初期の建造物で登録有形文化財である本店は、建築学上、貴重な存在です。異なる建築様式の混合体であり、「近代から現代への過渡期の作品」と評されています。また、鹿児島市の目抜き通りにある立地も手伝って、ランドマークの役割も果たしています。
鹿児島県技師三上昇氏の設計で1937年(昭和12年)5月に竣工しました。戦前の激動時に"産声"をあげ、戦後の混乱、高度経済成長、バブル景気、そしてバブル崩壊による平成不況、コロナ禍とこれまで80有余年にわたる世の中の変遷を見届けてきました。
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過去には、本店の全面新築案が浮上し、存亡の危機にさらされたこともありました。しかしながら、総合的な判断から、この案を排して保存を図ることに収束し、増築するという決断に至りました。
もともとは4階建て(一部6階建て)であり、1967年(昭和42年)に増築した際は、地盤改良などを施し、地下1階地上8階に建て増して現在に至っています。1階から3階までは、ルネサンス様式とゼツェッション様式との混合様式となっています。5世紀のギリシャ時代に完成した硬盤、柱身、柱頭を有する部分と、この柱を支える幹部分を含めたオーダーと呼ばれる列柱部分はコリンス式と呼ばれています。3階まで突き通った巨大なコリシャン・オーダー(列柱)は迫力があります。
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▲本店玄関前にある登録有形文化財指定のプレート
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鹿児島県で現存する様式建築の中では最も初期のもので、いまでも当時の姿をよく留めていることから、1998年(平成10年)12月11日付で国の登録有形文化財となりました。
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▲サステナブルの考えのもと、少ない消費電力となるLED式ライトを採用
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2023年(令和5年)12月より、創業110周年記念事業の一環として、夜間の通年ライトアップを開始しています。毎日18時~22時まで26個のLEDライトが121パターンの色や明るさで季節ごとに配色を変えて歩行者の目を楽しませ、周辺一帯となった夜間景観の魅力向上に寄与しています。 お近くをお立ち寄りの際は、是非ご覧ください。