ごあいさつ
皆さまには、平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
2023年度の日本経済を振り返りますと、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行したことにより、社会経済活動の正常化が進みつつある中、ロシア・ウクライナ戦争や中東情勢などを背景とした地政学上のリスクや円安の影響による原材料価格及びエネルギーコストの上昇等の影響により、先行きの見通しは不透明な状況が続いております。
鹿児島県経済においては、行動制限の緩和や国内旅行者の増加、インバウンドによる海外観光客の増加、昨年10月に開催された「燃ゆる感動かごしま国体・かごしま大会」などの影響により、観光・宿泊・飲食関連においては持ち直しの動きが見られています。一方で、基幹産業である農業関連においては、飼料・肥料価格の高騰による影響が見られ、全体としても資源・原材料価格の高騰や為替変動、働き手の不足等の影響により、厳しい状況が続くものと考えられます。
このような環境のもと、私ども南日本銀行グループは、取引先事業者に対して迅速な資金繰り支援を行うとともに、WIN-WINネット業務(新販路開拓支援業務)による本業支援などの経営改善支援等に取組んでまいりました。今後も、お取引先のニーズに合致した金融サービスを提供し、引き続き厳しい状況にある事業者及び個人のお客さまにしっかりと寄り添い、地域経済の回復・活性化に貢献してまいります。
2023年度から第1次中期経営計画「インテグリティある組織への変革」(2023年度~2025年度)をスタートしました。「中小規模事業者向け専門の金融機関としてのビジネスモデル構築」等の5つの重点戦略を掲げ、将来の成長に向けた大胆な構造改革を行いながら、「自発的に考えて行動できる人材」を育成し、組織を強くしていく計画としています。その初年度である2023年度は、投資専門子会社の設立や人事諸制度改定の着手など、中期経営計画を着実に進めるための土台作りを進めました。
中期経営計画の2期目となる今期についても、パーパスを基軸に、様々なことに挑戦し、変化に強い組織にしていきたいと考えています。
引き続き『地域に責任を持つ"真の金融機関"』として地域の課題解決への取組みを進め、持続可能な社会の実現を目指してまいりますので、今後とも一層のご愛顧を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
2024年7月
取締役頭取 田中 暁爾